こんにちは、デデです。
今回は言霊原理の島から離れ、
言霊50音図の50番目になる言霊ンについて紹介します。
結局、言霊ンは島という区分けに属さないことになるのですが、
言霊ンはどういう位置づけなのでしょうか。
そして言霊50音図のどこに言霊ンが座しているのかを調べます。
本内容は島田正路著「古事記と言霊」に沿って、私なりに内容をまとめたものです。
火の夜芸速男の神
:言霊ン
言霊ンには火の夜芸速男(ほのやぎはやを)の神の名がつけられました。
火の夜芸速男の神が言霊50音の50番目というのは、
古事記上巻の天の御中主の神から火の夜芸速男(ほのやぎはやを)の神まで
でちょうど50番目になるということです。
(これまで先天の17言霊と後天の32言霊子音が登場しました。)
火の夜芸速男の神の火は言霊のことであり、夜は夜の国で夜見(=読み)の意、
芸は芸術の意、速ははやい、男は主体の意味です。
火の夜芸速男の神の名の意味は
言霊の読みの芸術が早く示されている存在、または言葉が眠っている夜の芸術,
と解釈され、つまり文字のことです。
火の夜芸速男の神は別名で火の迦具土(かぐつち)の神であります。
迦具土とは書く土を暗示しています。
昔の人が言霊50音を粘土板に書き刻んだとされており、
それが文字のはじまりであると考えられています。
ちなみにその書き刻まれた粘土板を窯で焼いた素焼きが「甕(みか)」です。
そしてその「甕」の字が使われる神の名もわが国では残っているのです。
言霊ンはテーマが文字であり、神代の字のことですから神代表音文字であります。
言霊ンは神代表音文字のことを指しているため、
先天17言霊や後天32子音のように心の動きといったものではありません。
ですから言霊ンに島(区分)がないのです。
ただ、言霊50音がどんな法則に基づいて文字として表されるかは
昔の人はちゃんと検討していて、古事記でもきちんとその島が存在します。
古代から存在したとされている言霊と神代表音文字はわが国の宝であります。
「古事記と言霊」の著者島田正路が、もうひとつの名著「コトタマ学入門」で
紹介していますが、いままで母音のウと半母音のウは同じもので扱ってきました。
(言霊ウは自他未剖の言霊で主体客体に分かれないからです。)
50音図ではワ行のワヲウヱヰにおいてウが謎だったのですが
母音・半母音の言霊ウは重複しているという認識が正しいのです。
それで言霊ンの所在としては半母音側のウが「ン」に転化したものとして
言霊ンは神代文字でありながら半母音ウに座しているのです。
半母音のウのところに神代表音文字の言霊ンがシンプルながら見事に収まるところが50音図の美しさでもあります。
以上、言霊ンについて紹介しました。
わが国の神代表音文字と言霊原理はまだ謎の多いですが、それゆえに太古からの宝であり、これからの時代これらの復興に期待がかかるところであります。
次回より「古事記」の言霊原理の整理と運用が50個出てくることになりますが、その整理と運用に神の名がつけられていますので、島ごとに見ていきましょう。