言霊原理の島 ⑦佐渡の島

日本民族

こんにちはデデです。

 

言霊原理の島、今回は佐渡の島(さどのしま)です。

 

佐渡の島の佐は助ける、渡は渡すの意味です。

ひとつ前の津島という区分で心の先天宇宙で生まれた「考え」
まとまり、
人間の口腔から言葉となって放たれる港まで到達しました。

 

いよいよ言葉を組み始めるプロセスが佐渡の島ということです。

佐渡の島とは霊と体の双方の動きを実際の言葉として
実相として、実現・創造する働きの区分、という意味であります。

引用先:「古事記と言霊」神々の生成(子音創生)

 

佐渡の島では言霊イと言霊ヰによって生まれる32子音のうち8言霊が
鎮座することになります。
佐渡の島で活躍する子音の8言霊はクムスルソセホヘです。
これらは「まな(真名)」と呼ばれます。

 

そしてその佐渡の島に座する言霊は
沫那芸神、沫那美神、頬那芸神、頬那美神、天之水分神、国之水分神、
天之久比奢母智神、国之久比奢母智神です。

本内容は島田正路著「古事記と言霊」に沿って、私なりに内容をまとめたものです。

沫那芸の神・沫那美の神

:言霊ク
:言霊ム

言霊クには沫那芸(あわなぎ)の神の名がつけられ、
言霊ムには沫那美(あわなみ)の神の名がつけられました。
沫那芸の神沫那美の神の沫(あわ)はア(吾)とワ(汝)の暗示であり、
オウエイとヲウヱヰのことです。
那はすべて、芸(ぎ)が気であり霊の側、美(み)は身であり体であり音(言)となります。

 

アオウエイでもワヲウヱヰでも関係なく全部、主体側客体側関係なく全部、
言葉のなかでは霊のチームと体のチームにわかれるけどもペアになりますよ、
ということです。

言葉に組まれるときは言霊クと言霊ムのペアで働いています。

 

沫那芸の神沫那美の神は伊邪那岐の神と伊邪那美の神のペアに似ていて、
この2神のように、現象化する現実において吾と汝、霊と体、心と文字を結びつける力動として沫那芸の神沫那美の神がペアで働きます。

 

言霊ク言霊ムで言葉にクム、なのです。

 

言霊クと言霊ムはそれぞれ吾と汝、霊と体、心と音を結びながら
ペアとなって言葉に集約していく力動です。

頬那芸の神・頬那美の神

:言霊ス
:言霊ル

言霊スには頬那芸(つらなぎ)の神の名がつけられ、
言霊ルには頬那美(つらなみ)の神の名がつけられました。
頬那芸の神頬那美の神の頬(ほお)という字が頬(つら)で使われているのは
実際の発音の働きですよ、とわかりやすくなっています。

 

沫那芸の神と沫那美の神のペアの働きがこの頬那芸の神頬那美の神のペアでも続いています。

 

言霊スは「ス」という音のイメージのように、スーッと静かに動作のない落ち着いたさまで霊を受け持つ力動です。
言霊ルは流(ル)という音のイメージのように、ラ行特有のらせん状に渦を巻いて波動を描きながら伸びていく体を受け持つ力動です。

 

言霊ス言霊ルのペアがわかりやすいのはスルスルなのですね。
われわれがスルスルと表現する時は、万事バランスがとれて、明瞭で、
邪魔もなく、さえぎるものが何もない状態であります。

スに片寄れば物事は停滞しますし、ルに片寄れば事は性急に過ぎてしまうことになります。
「立て板に水」の弁舌も言葉の節々に「間」がありませんと、
言っている事の意味が聞く者によく理解できない事となります。

引用先:「古事記と言霊」神々の生成(子音創生)

天の水分の神・国の水分の神

:言霊ソ
:言霊セ

言霊ソには天の水分(あめのみくまり)の神の名がつけられ、
言霊セには国の水分(くにのみくまり)の神の名がつけられました。
天の水分の神国の水分の神の水分とは水配りの意味です。
天は霊を、国は体を暗示します。

 

霊と体、つまり心と音を組んで言葉を発音する時の話なのですね。

言葉を発する時は、水の補給が必要だ、と示しているのです。

水の補給とはエネルギーを保つこと、つまり

言葉を発するにはエネルギーが要りますよ

ということです。

 

水分であれば口腔内をうるおす唾液なども関係あるだろう、と
「古事記と言霊」著者の島田正路も指摘しています。

 

言霊ソは言葉の発音時に霊的・心的エネルギー補給を要求する力動、
言霊セは言葉の発音時に体的エネルギー補給を要求する力動です。

 

エネルギーという表現がなかった太古の時代に、水配りの「水分」が使われていたのだと理解すると、現代でも水分を取りなさいよ、という意味が間違いなく
エネルギー補給の意味で伝わるのも納得がいきます。

天の久比奢母智の神・国の久比奢母智の神

:言霊ホ
:言霊へ

言霊ホには天の久比奢母智(あめのくひざもち)の神の名がつけられ、
言霊ヘには国の久比奢母智(くにのくひざもち)の神の名がつけられました。
天の久比奢母智の神国の久比奢母智の神の久比奢母智は

久しく(久)その内容(比)が豊かに(奢)持ち(母智)続く

と解釈され、

口から出た言葉は、その言葉の霊と体をかき消すことなく持続しつづけますよ

という意味になります。

 

言霊ホと言霊へは言葉が発されたあと、それぞれ霊チーム側(天)と体チーム側(国)が持続して残ろうとする力動です。

 

口から出た言葉は単に出ているのではなく、心を伝える船と例えられます。
その伝え方も船の種類があるように、声がうわずったりドスが効いたり、
大きな声小さい声で、その伝えようとする印象が持続して残るものです。

 

そして「ひとこと既に出ずれば駟馬も追い難し」という中国の名言があるように、
いったん口から出た言葉は取り返しがつきません。

口から出た言葉は取り返しがつかず持続して残るもの、ここでそれを指摘しているならば、太古の人間もその場面をよく観察していたことがわかります。

 

 

以上、佐渡の島の言霊8神を紹介しました。
口から放たれた言葉の「今ここ」にも言霊が継続していることに気づかされます。
次回は大気中に出た言葉を追いかけ、その言葉の行方を見ていくことになります。

言霊原理の島 ⑧大倭豊秋津島