言霊原理の島 ⑧大倭豊秋津島

日本民族

こんにちは、デデです。

 

言霊原理の島、今回は大倭豊秋津島(おおやまととよあきつしま)です。

 

大倭豊秋津島では言霊イと言霊ヰによって生まれる32子音のうち
14言霊が鎮座することになります。
この大倭豊秋津島で計32子音が出そろう
最終の第三段階です。

 

大倭豊秋津島の名についてですが、
50音言霊が全部一度にそろうことを大いなる和(大倭=おおやまと)と
呼ばれ、それがすべて豊かに明らかに現れる(豊秋津)区分(島)であります。

 

大倭豊秋津島では14言霊のフモハヌラサロレノネカマナコが言葉となって大気中を飛び、人の耳に聞かれ、言葉が復誦・吟味されて了解されるとともに、再び心の宇宙に帰っていく島(=区分け)です。

 

14言霊は2グループに別れ、大気中にある4言霊のフモハヌは「かな(神名)」、
再び心の宇宙へ戻る10言霊ラサロレノネカマナコは「まな(真名)」と呼ばれます。

 

大倭豊秋津島に座する言霊は
志那都比古神、久久能智神、大山津見神、鹿屋野比売神、天之狭土神、
国之狭土神、天之狭霧神、国之狭霧神、天之闇戸神、国之闇戸神、大戸惑子神、
大戸惑女神、鳥之石楠船神、大宜都比売神です。

本内容は島田正路著「古事記と言霊」に沿って、私なりに内容をまとめたものです。

志那都比古の神

:言霊フ

言霊フには志那都比古(しなつひこ)の神の名がつけられました。

風の神名は志那都比古の神。 引用:「古事記」

 

まずは大気に出た神名(かな)である4言霊フモハヌが登場します。

 

志那都比古の神の志那都は志の内容である言霊(ここでは真名)が
ことごとく(那)言葉(都・霊屋子)となっているの意で、比古は主体です。

 

風の神の風はのことが連想されることから、
その人の志(=言霊)が言葉という船に乗り、息とともに放たれて、
その
発した人間の口元から離れても、言葉はその人の心であります。

 

言霊フとは、大気中に出ても言葉がそれを発した人間の心に属しながら
「考え」が言葉にのって放たれる力動です。

久久能智の神

:言霊モ

言霊モには久久能智(くくのち)の神の名がつけられました。

木の神名は久久能智の神。 引用:「古事記」

 

久久能智の神の久久能智は久しく久しく能(よ)く智を保っている、
と解釈されています。
木の神の木は「気」であり、「霊」も暗示されています。

 

言霊モは、茂・盛る・森など、茂り発展する形と言われるように、
大気中を飛んでいる言葉はその人の心をいつまでもどこへでも伝える力動です。

大山津見の神

:言霊ハ

言霊ハには大山津見(おほやまつみ)の神の名がつけられました。

山の神名は大山津見の神。  引用:「古事記」

 

大山津見の神」は八間(やま)です。
八間という8の間を維持し、大いなる働きをするものくれば8父韻です。
8父韻が渡し現われる(=津見)、の意です。

 

言霊ハの特徴は父韻ヒを受け継いでいるところにあります。
つまり父韻ヒは「言葉の表現が宇宙の表面に完成する韻」でしたね。
言霊ハは葉を表し、言の葉という言葉のことでもあるのです。

 

言霊ハは、これまで8父韻の音図配列によって形成された「考え」が
現象化を完成させて、その現象を言葉の表面にのせて渡し現われる力動です。

鹿屋野比売の神

:言霊ヌ

言霊ヌには鹿屋野比売(かやのひめ)の神の名がつけられました。

野の神名は鹿屋野比売の神またの名は野椎の神。 引用:「古事記と言霊」

 

鹿屋野比売の神鹿屋は神の家の意味から神名(かな)のことです。
神名に秘められたもの(言葉)が山(山の神名)から野(野の神名)へ下るように、
耳元に到達するイメージです。
耳の鼓膜をたたくということで別名野椎(のづち)の神とも言われています。

 

言霊ヌは神名(かな)が大気中から再び真名(まな)に戻るべく、耳元へ貫(ぬ)こうとする力動です。

天の狭土の神・国の狭土の神

:言霊ラ
:言霊サ

言霊ラには天の狭土(あめのさつち)の神の名がつけられ、
言霊サには国の狭土(くにのさつち)の神の名がつけられました。

 

ここから10言霊ラサロレノネカマナコが神名(かな)を再び真名(まな)へ
戻し、人間の心の宇宙へもどっていく過程となります。

 

天の狭土の神国の狭土の神の狭土は耳孔のせまい箇所の椎(槌)という意味です。
いよいよ耳孔を入っていくことになります。

 

言葉が再び霊チームと体チームになって、神々がペアとなって働きだします。
天は言葉の「霊」を、国が言葉の「音」を示しています。

 

言霊ラは螺(ら)の字が示すようにらせんを描きながらすすむ力動
言霊サは差す・刺す・指すのように一定の方向に伝わる力動です。

天の狭霧の神・国の狭霧の神

:言霊ロ
:言霊レ

言霊ロには天の狭霧(あめのさぎり)の神の名がつけられ、
言霊レには国の狭霧(くにのさぎり)の神の名がつけられました。

 

天の狭霧の神国の狭霧の神の狭霧とは言葉の霊と音が霧のようなもやっとした
有機体のように耳孔の奥へ奥へぐるぐる入り込んでいくところです。

 

言霊ロと言霊レは、ラ行らしくらせんを描くようにさらに耳の奥深く到達しようとする力動です。

天の闇戸の神・国の闇戸の神

:言霊ノ
:言霊ネ

言霊ノには天の闇戸(あめのくらど)の神の名がつけられ、
言霊ネには国の闇戸(くにのくらど)の神の名がつけられました。

 

天の闇戸の神国の闇戸の神の闇戸とは耳のなかの闇(くら)がりの戸、で聴覚器官の事です。

 

言葉の霊と音が脳内に入り、神名(かな)が真名(まな)へと還元されることになります。

 

言霊ノと言霊ネは、耳に入ってから頭脳で言葉を復誦させる力動です。

大戸惑子の神・大戸惑女の神

:言霊カ
:言霊マ

言霊カには大戸惑子(おほとまどひこ)の神の名がつけられ、
言霊マには大戸惑女(おほとまどひめ)の神の名がつけられました。

 

大気中を飛び回り再び脳内に入った神名であっても、どんな内容なのか
復誦されなければならず、すべて瞬時に了解されるわけではありません。
「ああかな、こうかな」と戸惑いながら内容を煮詰めていくことになる、
大戸惑はここで当てられていると解釈されています。

 

その脳内で内容を煮詰めるさまはカマ(釜)で煮詰めるイメージで覚えておくとよいでしょう。

 

言霊カと言霊マは言葉(それぞれ霊と体)が脳内で煮詰められていく過程で
神名(かな)が完全に真名(まな)へ還元されていく力動です。

鳥の石楠船の神

:言霊ナ

言霊ナには鳥の石楠船(とりのいわくすふね)の神の名がつけられました。
鳥の石楠船の神の鳥は十理(とり)の意です。
10の理とくれば8父韻を含むイ・チイキミシリヒニ・ヰですね。

8父韻は音図における吾(ア)と汝(ワ)の間を飛び交うことになりますから
昔の人が
に例えたと言われています。

 

石楠(いはくす)は五十葉(いは)である50の言霊を組んで済ます(くす)の意味となり、50音図のことです。
船は50音でできた言葉を運ぶのに使います。
神社でも神様を船で運ぶ形に見受けられるのは言葉を運ぶ暗示でもあります。

 

鳥の石楠船の神の名の意味を読み解くと

言霊原理に基づいて五十音言霊図上で確かめられた物事の内容」

となります。

 

言霊ナは「ああ、こういうことだな」と言葉とその内容が理解され、
確定・確認する力動です。

 

言霊ナで「そうか」となると、心の先天宇宙から次の現象を生もうとする力動が加わることになり、「子(コ)」が生まれます。

大宜都比売の神

:言霊コ

言霊コには大宜都比売(おおげつひめ)の神の名がつけられました。
大宜都比売の神の大宜都比売とは

大いによろしき言葉(霊屋子→みやこ)を秘め(比売)ている、

という意味です。
先天宇宙からの言葉の誕生を秘めている、ともとれます。

 

言霊コは言霊が真名(まな)から先名(あな)となって心の宇宙に帰りつき、
心の先天宇宙からまた違った現象の最小単位の言霊子音を生もうとする
力動です。

 

言霊コは現象子音のままであり、生もうとする現象がまた違った実相ですから
子(コ)が生まれることになります。

 

 

以上、大倭豊秋津島の言霊14神を紹介しました。
これで32子音(言霊)も登場することになりました。

ところで32子音と先天17言霊とあわせると49であり,
さんざん触れてきた言霊50音にならないとお気づきかと思います。

そこで次回は島の紹介をいったん中断し、残りひとつの言霊ンについて紹介します。

言霊原理 火の夜芸速男の神