言霊原理の島 ③隠岐の三つ子の島

日本民族

こんにちは、デデです。

 

言霊原理の島、今回は隠岐の三つ子の島(おきのみつごのしま)です。

 

隠岐の三つ子の島隠岐とは隠(かく)り神という意味で「身を隠したまひき」を暗示しています。

古事記で「身を隠したまひき」の表現が暗示しているのは、
言霊がまだ先天宇宙にありますよ、ということです。

そして三つ子とは3段階目に現われる言霊という意味です。

 

隠岐の三つ子の島には別名があって天の忍許呂別(あまのおしころわけ)と言います。
天の忍許呂別とは

先天構造における(天の)大いなる(忍)心(許呂)の部分(別)

という暗示になっていて、文明創造上もっとも重要な精神となる

言霊オ・言霊ヲ言霊エ・言霊ヱ

が鎮座することが「大いなる心」の核心と言えます。

 

隠岐の三つ子の島において鎮座する言霊オ、言霊エ、言霊ヲ、言霊ヱの4神は
引き続き心の先天宇宙の部分に関係することを示唆してくれています。

 

隠岐の三つ子の島に座する言霊は
天の常立の神、国の常立の神、宇摩志阿斯訶備比古遅の神、豊雲野の神です。

本内容は島田正路著「古事記と言霊」に沿って、私なりに内容をまとめたものです。

天の常立の神

:言霊オ

天の常立の神とは大自然(天)が恒常に(常)成立する(立)主体、
といった意味であります。
天の常立の神とは記憶し、その記憶それぞれの関連を考える主体の世界ということが出来ましょう。

引用先:「古事記と言霊」天地の初発

これまでアイウエオ母音のうち「欲望」の言霊ウ、「感情」の言霊アときて、
今回言霊オ天の常立(あめのとこたち)の神という名がついています。
言霊オ
経験記憶を表します。

言霊オは過去の現象を記憶として思い出す、
その現象同士の因果関係を調べるなど、経験知のでてくる心の動きです。

 

言霊オとともに心の先天宇宙ではやがて記憶と知識ともに思い出す活動をはじめ、
言霊オがあるから知恵を思い出す学問の世界が開かれていきます。

 

記憶とか学問とかをつかさどる言霊オですが、心の先天宇宙で十分独立していながら、自分で意識することができないのですね。
つまり「身を隠したまひき」ながらも、思い出せる主体となれるのが言霊オです。
隠岐の三つ子の島に座する言霊4神もすべて依然「身を隠したまひき」です。

国の常立の神

:言霊エ

言霊エには国の常立(くにのとこたち)の神という名がつけられました。
国の常立の神とは

国家(国)が恒常に(常)成立する(立)ための実体(神)

という意味になります。

 

言霊オで経験し記憶して学問の量が増えてくると、
次にそれら知識をどう使おうかとか、どれを選ぼうかとかなどの選択に迫られることになるのですね。

言霊エは「選(えら)ぶ」という字に代表されるように欲望・経験・感情のうち、今はどの性能で対処したらいいかの選択知、実践智がでてくる心の動きです。

 

よく言霊オと言霊エにおける働きの違いで混同されやすくなるのですが、
著書「古事記と言霊」ではヒントを与えてくれていて、

「これは何故かな」の思考は言霊オの働き、
「さて私はどうしようかな」の思考は言霊エの働き

になるということです。
文明創造に望まれるアイデアを出すほうが実践智言霊エとなります。

宇摩志阿斯訶備比古遅の神

:言霊ヲ

宇摩志は霊妙なの意。
阿斯訶備比古遅の阿斯訶備は葦の芽、比古遅とは男の事。
男は音の子で言葉を意味する。
全部で霊妙な葦の芽のように次から次へと萌え出てくる言葉の実体、ということになります。

引用先:「古事記と言霊」天地の初発

 

言霊ヲは言霊オの客体側、言霊オから生じたものになります。
言霊ヲ
には宇摩志阿斯訶備比古遅(うましあしかびひこじ)の神の名がつけられました。

 

たとえば言霊オが主体の動きで「記憶する」ならば、「記憶したもの」という
客体が伴ってくるわけです。

言霊ヲは心の先天宇宙で次から次へと萌え出てくる記憶そのものです。

 

言霊ヲは経験後の知識、情報の記憶そのものの概念としか言えないのですが
言葉で説明しにくいもので、どうしてもあいまいな表現になってしまいます。

言霊ヲが言霊オと二元性となっていますから、言霊ヲがないと記憶や経験をする主体である言霊オも存在しなくなるのです。

 

記憶とは普通人間の頭脳のなかで思い浮かぶとき、
ほかの記憶に触発されてふわっと思い出したり、関連付けしてパッと次々に頭に浮かんできたりすることが多いですよね。
キリがないくらい広がる心の先天宇宙で言霊ヲがかけめぐるイメージです。
そのような記憶が存在する果てしない宇宙のことも言霊ヲが表します。

豊雲野の神

:言霊ヱ

言霊ヱは言霊エの客体側、言霊エから生じたものになります。
言霊ヱには豊雲野(とよくもの)の神という名がつけられました。

 

豊雲野の神の「豊」は十四(とよ)の数を示す暗示です。
今後古事記で「豊」の字を見かけたときには10と4という思考が役に立ちます。
「豊」の10と4という数字は心の先天宇宙を構成し、これから子音や現象を生じさせるのに必要な言霊の基本数になるからです。

 

そして豊雲野の神の雲は「組む」という意味を暗示し、野は分野という意味です。
豊雲野の神で心の先天宇宙の言霊(10言霊と4言霊)をどのように組んでいくか、
を考える分野の実体といった意味なのですね。
そしてその組んで現象となる結果も言霊ヱであり、言霊エの実践智から生じたものであります。

言霊ヱは人間の選択する実践智によって現われてくる賜物そのものです。

 

 

以上、隠岐の三つ子の島に座する言霊4神の紹介でした。
これまで出てきた言霊をまとめると言霊ウの下に言霊アと言霊ワに分かれ、

  • 主体側、言霊アのもとに言霊オと言霊エ
  • 客体側、言霊ワのもとに言霊ヲと言霊ヱ

がとなりました。
お気づきのようにウアオエは母音、ウワヲヱは半母音のことであります。

が出そろったので、次回はという8父韻についての紹介となります。

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