言霊原理の島 ⑪大島

日本民族

こんにちは、デデです。

 

言霊原理の島、今回は大島です。

 

大島に座する言霊の整理・運用法により、
天津菅麻音図における人間の精神構造の構築作業はさらに続きます。

大島は大きな価値・権威を持った心のしまり、という意味です。

 

大島の紹介するまえに、
大島に座する言霊の整理・運用法で重要な解説となる、古事記の当該箇所は
こちらになります。

伊邪那岐の命、みはかし(=御刀)の十拳(とつか)の剣を抜きて、
迦具土(かぐつち)の神頸(くび)斬りたまひき。

 

十拳の剣人間の理想的な精神構造での判断力(=剣)のことです。
迦具土(かぐつち)の神とは火の迦具土の神のことであり、また別の名称が
火の夜芸速男(やぎはやを)の神のことでした。

言霊原理 火の夜芸速男の神

つまり神代表音文字を指します。

 

頸(くび)は「組霊(くび)」の暗示で、霊である言霊を組んだものを指します。
ここで言霊(=神代文字)を組んだものと言えば音図表、天津菅麻音図のことですね。
斬る行為は実際にぶつかってみる、になります。

 

先ほどの古事記の場面を言霊原理の解釈で読み解きますと、
「伊邪那岐の命が人間の理想的な精神構造で判断しながら、天津菅麻音図を分析・検討しました」
になります。

 

すると大島では何がおきるのでしょうか。

 

大島に座する言霊の整理・運用法は
石折神、根折神、石筒男神、甕速日神、樋速日神、建御雷之男神、闇淤加美神、
闇御津羽神です。

本内容は島田正路著「古事記と言霊」に沿って、私なりに内容をまとめたものです。

石折の神

石折(いはさく)の神の石折は五葉裂(いはさ)くの暗示です。
5つの葉(=言霊)が裂く、ということで、
言霊50音が5母音ア・オ・ウ・エ・イの5つの次元のいずれかに分類されることが分かった、ということです。

 

人間の心の先天宇宙では、5母音ア・オ・ウ・エ・イが5つの次元(感情・経験・欲望・実践智・創造意志)を表すものでした。
そして50音を音図上で分類するとなると、かならずア行、オ行、ウ行、エ行、イ行のいずれかに含まれることになりますよ、ということです。

 

天津菅麻音図において人間の精神構造は5つの次元(感情・経験・欲望・実践智・創造意志)に分類されるという性質に、石折の神の名がつけられました。

 

「古事記と言霊」の著者島田正路は「五葉裂く」の道理が人々の会話する言葉でよく現れると指摘しています。

心が言霊ウの次元に住む人同志の会話は、各自自分が経験した事柄をその体験の順序通りに一部始終喋ります。
いきおい会話は長くなります。

言霊オの次元に住む人の会話には抽象的概念的言葉がやたらと出てきます。

言霊アの次元では詩や歌がでてきます。

言霊エの次元では「かくすべし」の至上命令がその典型的言葉となります。

言霊イの次元では言霊が、そしてほかのウオアエの次元に住む人々の心に合わせた自由自在の言葉が出てきます。

引用:「古事記と言霊」五十音の整理・運用

言葉を聞けば、その人が感情・経験・欲望・実践智・創造意志のどの精神構造にいるかがわかる、ということです。

根折の神

根折(ねさく)の神の根折は根裂(ねさ)くの暗示となります。
できあがったばかりの天津菅麻音図の根とはどこかと言えば、
泣き沢ぐ音、音図の最下段言霊イに並ぶ8父韻の場所ですね。

言霊原理の島 ⑩小豆島

【天津菅麻音図】

 
 
 
 
8父韻

 

現象を生む創造意志の力動である8父韻の言霊が、どのような順序で並ぶことになるかが分析・検討されることとなります。

 

天津菅麻音図において根に位置する8父韻がどのように並んでいるかの分析に、根折の神の名がつけられました。

石筒の男の神

石筒(いはつつ)の男の神の石筒は五葉筒(いはつつ)または五十葉筒(いはつつ)の暗示です。

 

言霊50音図をよく観察すると縦向きにも横向きにもそれぞれ列と段がつくられ、
まるでいっぽんの筒のように人間の精神状態が分類しているさまと、いっぽんの筒のように連続して推移・進展しているさまが分かる、ということです。

 

天津菅麻音図において縦の筒のように言霊が並んで精神状態の分類を表す力動、横の筒のように言霊が並んで精神状態のうつり変わる順序を形成する力動に、石筒の男の神の名がつけられました。

 

石筒の男の神の「男」の字は主観的という、主体(=主観する側)からの判断のみによるという意味です。

 

伊邪那岐の命は主体とか主観する人の暗示です。
天津菅麻音図においてはまだどうしても主観での対応となります。

 

「男」の字が示すのは

まだ主観的なものの見方で完成・確認していく

という意味の強調であります。

甕速日の神

甕速日(みかはやひ)の神の甕(みか)は、
言霊50音を粘土板にきざみ記して焼き上げたもので、言霊50音図のことです。

 

速日の日は言霊の霊(ひ)、速日(はやひ)は一目で(速)の言霊で、
言霊50音が音図の上に並ぶことでその全体像がどのような内容になっているかが一目ですぐわかるという意味です。

 

言霊50音図においてその全体像を一目見てどのような音図かがわかる力動に、甕速日の神の名がつけられました。

 

甕速日の原理により、言霊50音図が一目でどのような種類の音図かわかるというのは、言霊50音図に洗練されて落ち着いた静的な状態があるということです。

樋速日の神

樋速日(ひはやひ)の神の樋は水を流す道具です。
水が流れるように言霊50音図上で言霊がどのように連続しながら変化していくか、その流れを見ます。

 

言霊50音図において音図上の言霊の並びを一目見てどのように移り変わっていくかがわかる力動に、樋速日の神の名がつけられました。

 

樋速日の原理により、言霊50音図が一目でどのような変化になっているかわかるというのは、言霊50音図に先見の明に富んだ動的な状態があるということです。

 

言霊の動的状態は、たとえば子音が生まれはじめた津島の「タトヨユテヤユエケメ・・・」の並びもその一例となります。

言霊原理の島 ⑥津島

建御雷の男の神

建御雷の男(たけみかづちのを)の神の建(たけ)は田気(たけ)の意味です。
とは人間の精神構造を表した音図、それが田の形に似ているのでよく言霊50音図を暗示します。
そこで建(たけ)は言霊50音図の気、で「言霊」のことになります。

 

雷(いかづち)は五十神土(いかつち)の暗示で、
五十神土は50音を粘土板に書いたもの、言霊50音図になります。

 

は天が光り轟く自然現象ですが、人間の言霊も心の先天宇宙で光ったものが言葉になろうとする力動(神鳴り)であります。
そしてこの神鳴り(雷)に50の言霊要素と50の変化があるわけです。

 

今初歩的な天津菅麻音図を分析しはじめましたが、石筒、甕速日、樋速日が明らかになってくるにつれて伊邪那岐の命(=主体、主観的な人)の心のなかに人間の理想的な精神構造が完成してきたのです。その構造が建御雷の男の神です。

 

天津菅麻音図を整理・運用していくうちに完成してきた人間の理想的な精神構造に、建御雷の男の神の名がつけられました。

 

建御雷の男の神で「男」の字がつくのは、石筒の男の神と同じように
まだ主体の心のなかだけで完成・確認されたものだ、という強調の意味です。

 

天津菅麻音図を通じて建御雷の男の神という主観的大原理を心のなかに打ち立てたら、その原理を物事にあてはめてみて真偽を判断する方法を試すことになります。

闇淤加美の神

建御雷の男の神を試す方法に2種類ありますが、その前に「御手繰(みてぐり)」という動作が重要になります。

「御手繰(みてぐり)」とは
両手の指10本を曲げて数えたり伸ばして数えたりする操作で、数と現象を突き合わせ、物事の道理を確認するときの動作です。

その指10本を曲げて数えるほうが闇淤加美(くらおかみ)です。

 

闇淤加美の神闇淤加美とは指を1本1本を繰り(闇=くら)噛み合わせる(淤加美)こと、つまり指を1本1本を曲げていき、最後には10本全部の指を握り終える動作です。

建御雷の男の神が天津菅麻音図という言霊50音図によって打ち立てられたように、音図の横の10という要素の数字で、物事の内容のすべてを把握したことになるのです。

最後に完了すると両手とも指を曲げてこぶしのグーの形になっているのですから掌握を意味していて、このことを昔から握手(にぎて)=幣(にぎて)と呼んでいたのです。

 

建御雷の男の神を示す天津菅麻音図をもとに心の宇宙の一切の現象の道理を10の要素で把握する力動に、闇淤加美の神の名がつけられました。

 

神社では神や布で「ジグザグした電光」形の白いものが飾りつけたり、
それがご神体として鎮座したりしているのを目にしたことがあると思います。
天からとどろく雷の形です。
「ジグザグした電光」は御幣(ごへい)または幣(にぎて)と呼ばれていて、
闇淤加美の神の暗示でもあるのです。

闇御津羽の神

建御雷の男の神を試す方法の2種類のうちもうひとつの、指10本を伸ばして数えるほうが闇御津羽(くらみつは)です。

 

闇御津羽の神闇御津羽とは指を繰って(闇=くら)生命の知性の権威である御稜威(御津)を鳥の羽の広がるように体現する(羽)という意味となります。

両手を握りしめた状態から1本1本伸ばし起こしていくこの闇御津羽「起き手」と呼ばれました。

 

「起き手」は「掟」の語源です。
われわれの住む社会に決めれたルール、法律、条例など世の定めとして
社会を運営するのは闇御津羽の神に由来するところがあります。

 

建御雷の男の神という原理にもとづいていれば、誰もが納得する新ルールややるべきことをその時その場所その立場で創造していけるのですね。
闇御津羽は10の数字にこだわることはありません。

 

建御雷の男の神という天津菅麻音図の原理をいろいろな現象に適用してその時処位に応じて処理していく力動に、闇御津羽の神の名がつけられました。

 

 

以上、大島に座する言霊の整理・運用法8神を紹介しました。
石折の神から闇御津羽の神までで建御雷の男の神という理想の精神構造が完成を見ることになりました。
次回は迦具土の神として登場する神代文字のほうを見ていくことになります。

言霊原理の島 ⑫女島