こんにちは、デデです。
言霊原理の島、今回は伊岐の島(いきのしま)です。
伊岐の島の伊岐はイの気で、言霊イと言霊ヰの気です。
つまり伊岐の島の名の全体では言霊イとヰの精神宇宙の位置区分という意味です。
言霊イと言霊ヰの特徴は、
- ひとつ前の島で明らかになった8父韻の両端を言霊イと言霊ヰがはさみ、
イ・チイキミシリヒニ・ヰと表記されること - 母音に言霊イ、半母音に言霊ヰがあてられ、母音と半母音がそれぞれ
アオウエイとワヲウヱヰとなること
という父と母の2つの役割を兼ねそろえる点です。
その役割は「親音」と呼ばれています。
また伊岐の島の別名が天比登都柱(あめのひとつはしら)であり、天のひとつ柱です。
つまり言霊イと言霊ヰはもともとひとつ、2霊1体という概念なのですね。
それだけでなく、母音アオウエイと半母音ワヲウヱヰがひとつになって
上からアオウエイという縦に言霊を配列した柱、天の御柱(あめのみはしら)にもなることもあります。
伊岐の島に座する言霊は伊邪那岐神、伊邪那美神です。
本内容は島田正路著「古事記と言霊」に沿って、私なりに内容をまとめたものです。
伊邪那岐の神
:言霊イ
言霊イには伊邪那岐(いざなぎ)の神という名がつけられました。
伊邪那岐の神の伊邪は「去来」という表記の時代もあったと伝えられています。
その通りであれば「去来那岐の神」だったのですね。
去来は「いざ」と読むと同時に「こころ」とも読んでいたそうです。
すると伊邪那岐で心の名の気。
心の名とは言霊のこととなります。
言霊イはイ行であり、8父韻のチイキミシリヒニも同じイ行であります。
言霊イは創造意志を表すのですが、8父韻の働きが創造的力動であるのは
まぎれもなく言霊イから創造意志の働きをもらっているからなのです。
言霊イの「創造意志」は「身を隠したまひき」のように単独で現象として
表に出てくることがないのが特徴です。
言霊イの創造意志の影響は8父韻にとどまらず、母音側の言霊ウの欲望、
言霊アの感情、言霊オの記憶、言霊エの実践智にも及びます。
人間の欲望、感情、記憶、実践智はもともと根底に創造意志があって
発露するものだからです。
言霊イは8父韻にとっても母音にとっても「創造意志」で支える重要な
縁の下の力持ちの存在であります。
おおまかに言霊イの働きは3つあり、著書「古事記と言霊」から引用します。
第一は人間の創造意志・生きようとする意志になって、
他の4つの母音ウオアエを支えます。第二は人間の創造意志の根元律である八つの父韻チイキミシリヒニに展開して、父韻は四母音・四半母音を結びつけ、現象である子音を生みます。
第三は生み出された現象にふさわしい名前を付ける根本の原理となります。
引用:「古事記と言霊」親音
第三の名前を付ける根本原理は、文明創造の上で重要な作業です。
伊邪那美の神
:言霊ヰ
言霊ヰには伊邪那美の神(いざなみのかみ)という名がつけられました。
伊邪那美の神も心(いざ)の名の身、つまり言霊の身を表すことになります。
しかし言霊ヰの働きは言霊イと一心同体であることから、ほとんど言霊イと同じになります。
言霊ヰはワヲウヱヰを統一し、8父韻ともつながり、言霊イと2霊1体となって言霊のバランスを整えます。
言霊ヰは言霊としては地味ですが、当面子音が誕生するまでは言霊イと活躍することになります。
以上、伊岐の島に座する言霊イと言霊ヰを紹介しました。
今後古事記では通常伊邪那岐の神と伊邪那美の神で「国土(くに)生み成さむ」と展開するところですが、言霊原理では物理的な国土ではないのです。
「くに=組んで似せる、言霊のこと」
の子音が32音ほど生まれてくることになります。
ここまで天の御中主の神から伊邪那岐の2神までの計17言霊は心の先天宇宙に
おける心の動きでした。
次回から子音が増えるとともに後天現象の区分けとなり、50音がそろうまでの
プロセスをたどることになります。
次回はその子音の最初の島となる津島を紹介します。