こんにちは、デデです。
言霊学といえば日本語の言霊に関する書籍がいっぱいあるのですが、
私が参考にしているのは
島田正路著「古事記と言霊」でひもとかれた言霊学
です。
言霊と聞くとイメージするのが、
「口にする言葉を幸せなものにすれば環境が変わりますよ」
と口にする言葉の波動に焦点を当てた言霊です。
実際その通りなのですが、著者の島田正路の伝える言霊学は、
口にする前の人間の心の先天要素
言い換えれば
口にする現象として現れる以前の心の活動の要素
のように、宇宙(=頭の脳内)に突如生まれる神のような意識を言霊原理として追及し、その結果として生まれもののひとつが
心であって言葉であるもの、言葉であって心であるもの
と説明されています。
結論からいうと、
われわれ日本語民族はこれから身禊の精神を取りもどす必要があります。
まず「身禊」とは何ぞやとなりますが、
この言霊学でいう身禊は従来からイメージ予想されるであろう、
川に入って体をゴシゴシすることではないのですね。
詳しい説明を省略しますが「古事記と言霊」からポイントを引用します。
次々と湧き出てくる
外国の学問・文化
を自らの内に起きる事実として、全てを受け入れ、
慈しみと感謝の心を以てそれぞれの処を得しめるよう努力すること、
これが禊祓(身禊)です。
「これは良い、これは悪い」の単なる批判ではなく、
全てを生かそうとする心です。引用先:「古事記と言霊」 身禊 その二
何を言っているのか?なのですが、外国の学問・文化がポイントとなります。
われわれ日本語民族にとってつねに身禊の対象となる外国の学問・文化とは
西洋文明によってもたらされた事柄ととらえるほうがわかりやすくなります。
外国の学問・文化とは「古事記」のなかで物質科学文明と象徴される「黄泉国(よもつくに)」で暗示されています。
つまり黄泉国が調和を目指そうとする本来の日本文化と大いに異なる世界であるわけです。
その黄泉国の特徴はざっと次のとおりです。
黄泉国とは
- 不調和・未整理の文化
- 自らの主張の正当性を示すために他人より一歩でも多く早く歩かないといけない競争精神
- この闘争という処世術が横行する社会の文化
- 競争に基づいた完成されていない混乱の学問・文化
- 調和のない雑多な文化
黄泉国とはわが国では決して生まれることのなかった調和のとれていない文化、
つまり奴隷を伴う西洋文明、ピラミッド搾取社会の文化・思想なのですね。
その不慣れな思想がわが国に入りこんできて日本語民族の先祖が長く対峙してきたわけであります。
明治維新以後は特に、彼らがどれほど苦労して西洋文明のいいところを
わが国に取り込もうとして欺かれてきたか、それでもうまく生かそうときたか、
たびたび多くの血を流してきた日本民族の歴史が物語ります。
慈しみと感謝をもって外国つまり西洋文明からもたらされる長所短所すべてをわが国と日本人に生かそうとする言葉を選ぶこと、
それが言霊学でいう身禊ということです。
ところで言霊学では心の先天要素である感情、経験、欲望性能、実践智(判断)、意志の5次元をそれぞれ
「言霊ア・言霊オ・言霊ウ・言霊エ・言霊イ」
と表しています。
ただ身禊を実践するにあたって、感情と意志を全面に出すとうまくいかなくなると「古事記」の言霊原理が指摘しています。
よって感情と意志をできる限り抑えて、
経験・欲望性能・実践智(判断)
をフルに活用し、文明創造の言葉を選ぶ、というのが身禊のポイントとなります。
考えてみてください、
何かトラブルで双方の立場に立って中立的な解決策を考えて言葉にするとき、
感情的になったり意志の強さから頑固さを貫いたりするときの先入観が
言葉となってしまうと、対立という災いを呼びやすいからです。
身禊を実践する人は経験・欲望・実践智をもとに中立的な結論に落ち着こうとするので
二元化しようとする双方の立場を統合しようとする最善の言葉を選べる精神(=言霊原理)
を保持することになります。
そしてわが国における文明創造がすすみ、文明にふさわしい言葉によって調和が生まれることになるのですね。
さらにわれわれ日本語民族にとって不慣れな
西洋文明から起こった悪魔思想的な考え
に取り込まれることなく、
われわれは西洋文明の悪い面を消化して人類文明の進化と精神発展のために
望ましい結論を試行錯誤しながら育んでいくことになるのです。
それこそ日本語民族の役割であり身禊の実践を行うということです。
最後に大切なことをお伝えします。
日本語を使うことで育まれる心の先天要素は日本語の使い方によく親しみ、
日本語の行間をよく知る日本語民族全員が気づきやすいようになっています。
外国人であっても日本語を使うと日本語民族であります。
その太古の言霊原理によって生まれた日本語がもたらす脳内の言霊が日本民族の精神でもあるのです。
繰り返しますが日本語を生んだ言霊原理に秘められた身禊の役割は、二元化して対立する事柄をうまく統合させながら望ましい結論に落ち着く言葉を選び、文明を創造していくことです。
そういう身禊を任されて世界に発信していける語族はまさに日本語民族だけとなります。
言霊学の身禊は実に奥が深いと言えます。
実は神話形式でありながら言霊原理のことを記していたのが
「古事記」上つ巻の正体だったのです。
そして
西洋の奴隷化に悩む現代の日本語民族に向けて残された太古からの知恵
であることは言うまでもありません。
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